2015年04月16日

沖縄のベテランソープ嬢

バーの扉が開いて、ユキと女が入ってきた。
今日の女は小柄で地味で、とてもユキのタイプにも自分のタイプにも見えない。
三十代後半、歳の数だけ肉を身につけている。
髪はボサボサ。
全身から歳相応の疲労感が滲み出ている。
主婦、子供ひとり、結婚生活はうまくいってない。
あるいは今は離婚して沖縄のソープランドで働きながらひとりで育てているってところか。
洋介は考えた。

「いらっしゃいませ」と島袋は言った。

「シマちゃん、今日はいいスーツ着てるね」とユキが言った。

「ありがとうございます」

島袋は無駄な話をしない。
手際よく注文をとりシェイカーを振る。
バーテンダーの見本だ。
ところがこの男の唯一の長所だ。
洋介はいつものように、自分の前でこの女が裸になる姿を想像する。
しかし、うまく像を結ばない。
まずこのような不美人とプライベートで寝ることはない。
また嵌め屋の仕事を不美人が注文してくることも、そういう女からユキが仕事を取ってくることもない。
たとえ不美人であっても、お金があれば化粧や身なりに気を遣うので化けられる。
ユキは挑戦的な目で洋介を見ていた。
促されて不美人の女が洋介のほうを見て、笑みを浮かべて恥ずかしそうに会釈した。
洋介は先に立ち上がった。
ユキの意図が読めない。
完璧なパートナーでかつセックスフレンドのユキが、意地悪でそうしているとは思えない。
何か理由がある。
そう思いながら洋介は先に席を立った。
仕事場であるプレイルームはこのバーの近くにある。
洋介は先に行って、そこで女を待つ。

洋介が部屋に入って、五分ほどして女がやってきた。

「失礼します」

女は礼儀正しくそう言った。
其の言い方に洋介は苛立ちを覚えた。「早く入って。そこで服を脱ぐんだ」
女は言われたとおり、その場で服を脱いだ。
予想通りみすぼらしい肉体があらわになる。
ひょっとしたら五十代かもしれない。

「シャワー浴びますか?」

「ああ、そうしてくれ」

まったく、ユキはどういうつもりだ。
そう思いながら洋介は煙草に火をつけた。
よほど大金を積んだか?まさかな。
あの身なりでは金を持っているとは到底思えない。
それならあの風貌であの身体で実はとんでもない名器の持ち主なのか?
もしかすると風俗店でベテランなソープ嬢なのかも知れない。
洋介は鼻で笑った。
たとえそうだとしても、今更オレに快楽を与えてどうする?
それにセックスは脳でする行為だ。
脳が拒否すれば、たとえどれほど名器だとしても気持ちよくもない。
予想に反してこの女はまったく特徴のない見かけどおりの女だった。
洋介は腹をくっくりプロフェッショナルに徹した。
キスもした。
萎んだ果実みたいな胸を舐めた。
ヴァギナだって舐めた。
女は最初恥ずかしがっていたが、やがて少しは声も出したし、ヴァギナも温かく湿らせた。
挿入すると、洋介の身体にしがみついた。
特別気持ちよいこともなかったが、腰を動かしているうちに射精の種みたいなもんを感じた。
女が先にイッた。
少しして、義務的に洋介は女の中へと放出した。
女はシャワーを浴びて、服を着る間一言も口にしなかった。
帰るときに、深々とお辞儀をして、ありがとうございましたと言った。
馬鹿にされたような気がした。
やはり彼女は沖縄 ソープで働いている女だ。
洋介は裸のままベッドに寝そべり煙草を吸った。
やがて、いつものようにユキがやってきた。

「おい、ユキどういうことだよ?」

「なにが?」とユキは悪びれる様子もなく言った。

「あの女、タンマリ報酬を払ったのか?」

「ううん、タダ」

「タダ?どういうことだ?」

「どうだった?良かった?」

「良いわけあるか。なんでオレがあんなおばさんとしなきゃならないんだ?」

「あのおばさんね、アタシのお母さんなの」

「えっ?」

「気付かなかった?」

そう言われてみれば、面影がないわけでもない。

「そっか、母さんはとっても良かったって言ってたわ。あんなセックス初めてだって」

ユキの母親と聞いて、ペニスが反応した。

「うちの母さんね、アタシが小さい頃に父さん亡くして、ずっとアタシを育てるのに必死で、ずっと誰とも恋もセックスもしなかったんだって。だから、気持ちのいいセックスをしてほしかったのよ」

「なんで言わなかったんだよ」

「言ったら、洋介、しなかったでしょう?」

確かにそうだ。

「オマエ、平気なのか?」

「なにが?アンタと母さんがセックスすることが?平気にきまってるじゃない。何を勘違いしてるの?」

その晩、洋介とユキは合計三回交わった。
いつもより興奮した。
愛がないセックスもいいものだ。
快楽は愛に優越する。
洋介はそう思った。
今度は親子揃って3Pしよう。
そう思うとまた勃起した。


Posted by 平良 at 15:43 | Comments(0) | ソープ
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